草コインの価格変動をほとんど説明できる考察 価格変動はひずみの解消。変動が少ないほど一気に上昇しやすい
今日は草コインのチャートが暴騰暴落を繰り返す仕組みを自分なりに考察してみました。
いろんなチャートにあてはめた結果、この考え方がかなり有用なことがわかったので書きます。
記事が長いのでまず結論から言います。
- 価格の値動きは適正価格との乖離からの揺り戻しであり、適正価格へと移行するための過程でしかない。
- したがって、価格変動が少ない銘柄の方が揺り戻しの力が多く蓄積されるため、後に大きく価格が上下しやすい。
他にも短期的な上昇チャートの売り時についても詳しく書くのでよろしくお願いします!
※ここから「だ、である」体になりますっ
今回分析するのは扱うのはMoon/Dogeだ。
Moonコインは1コインが非常に安価で、草コインと呼ばれている。
このような仮想通貨は特に価格変動が激しく、大きな上げ下げを繰り返す。
この理由を観察と心理の分析から説明する。
草コインが短期的な急騰・急落を繰り返す理由
草コインのチャートの特徴として、急騰・急落の山が繰り返されてというものがある。
たいていは良いニュースなどの価格が上昇する材料がない状態での上昇だ。
その理由は、草コインのプレイヤーはみんな一攫千金を夢見ているからだと考えている。
みんなが安い銘柄に投資し価格が少し上昇するとみんなそれにつられて投資し、
それによってかなりの価格の上昇が引き起こされて、ある程度上昇したところでみんな利益確定して別な価格の低いコインに資金を充てるのだ。
急騰から下落まで売買の流れをウォッチした
価格の短期的な上昇・下降の実態を、実際にチャートにかじりついて観察することにした。
チャートが下落に転じるまでにかかる時間は平均四時間だ。
まず、突然価格が上昇し始める。
急騰開始から下落までに起こること
最初の買いの時から観察した結果
- なんらかの買い注文が入り、値段が少し上昇する。
- そこに目をつけた人がそのコインを購入する。するとまた価格が上昇し、他の誰かが購入する。この正のスパイラルが発生し、価格が上昇しはじめる。
- この正のスパイラル、購入が購入を呼ぶ状態となり、一気に伸びる。すると後から価格の上昇に気づいた人たちがさらに購入し、伸びが一気に加速する。
- チャートの以前の急騰における伸び幅に近くなってくると、売り注文が散見されるようになるが、それでも伸び続ける。
- しばらくすると売りが増えてくる。
- ここに結構大口の売りが入ってくると、それをきっかけに売る人が続出。それによって価格の動きが鈍ってくる。(ここまでだいたい四時間だった)
- だいたい5分くらい最高値周辺で売り買いが拮抗した状態が続く。値段が最高値周辺を小さくうろつく。
- そこに大口の売り注文をが入ると、ドミノを倒したかのようにみんな焦って急に売りに出し始める。
- ものの数分で価格はかなり下落し、30分もしないうちに伸びの半分くらいまで下落する。
以上が観察した急騰・急落の実態だ。
特に6、7番目に注目すると、なるべく高く売る一番のポイントが見えてくる。
売り買いが拮抗し始めるかしないかのときに売ってしまうというものだ。
拮抗状態は、いつ下落してもおかしくない臨界状態だ。何かの拍子に誰かが低い(または大口の)売り注文をすれば、それにみんなが続く形で売り注文をし、一気に価格が下がってしまう。この状態での売りは、倒れかけのジェンガを抜いていくような状況だ。いつどのタイミングで価格が急落してもおかしくない。
だから売り買いが拮抗しているときにその通貨を持ち続けるのはかなりハイリスクといえるだろう。
だから拮抗し始める前に売るのがベストだ。
下落がひと段落すると、チャートの動きは別のフェーズに移る。
下落が収まるまでに起きること
下落が収まる過程には、価格が適正価格へ行こうとする力が働く
- 価格が下落すると、多数派が予測する暫定的な適正価格周辺まで落ちる。それは、みんながこれ以上下がらないだろうと予測する価格だ。
- 適正価格まで下落すると、これ以上下がらないと多くの人が予測し、買い注文が現れる。
- 買い注文により価格が上昇すると、先程と同様に、買いが買いを呼ぶ価格上昇のスパイラルが起こり、一旦ある程度まで価格が上昇・回復する。
- しかし価格の回復は下落からの反動でしかないため、先ほどの最高値までは価格は上昇しない。てっぺんまで行くと、先程と同様に拮抗状態に移り、その後下落する。
以降、この1〜4を繰り返して真の適正価格に近づいて行く。
真の適正価格にたどり着くと、価格変動は横ばいになる。
これでXPコインの価格変動をほぼ説明できる
この考え方で、ほとんどチャートの動きの理由を理解することができる。
下の写真はXP/BTCのチャートだ。
この考え方で説明できるところとできないところを色分けすると、下の写真のようにかける。
(赤:上昇開始、紫:下降〜適正価格、緑:説明できないところ)
見ての通り、9割以上を説明できている。
このように、この考え方は非常に有効的で、多くの場面に適応できる。
さらに、この考え方の根底にあるものを考えた。
チャートの値動きの根底にあるものは?
先の考え方を一文にまとめると、
「チャートの値動きは、
些細なきっかけによって価格の上昇が始まるがいずれ臨界状態に移り一気に下落し、
ギザギザを描きながら適正価格に落ち着くというひとかたまりの繰り返しだ」
と言える。
ということは結局、チャートの値動きの根底にあるのは、
「価格の値動きは適正価格との乖離からの揺り戻しであり、
適正価格へと移行するための過程でしかない」
と言うことができる。
全ては適正価格への揺り戻しでしかない。
チャートの暴騰・暴落は、まるでバネに蓄積されたひずみが一気に解放されるかのように、適正価格の方向に価格を押し上げたり押し下げたりする現象にすぎない。
以上のことは以下の結論を導く。
価格変動が少ない銘柄ほど一気に上昇・下降しやすい
大暴騰・大暴落が適正価格への揺り戻しだとすれば、価格変動が少ない銘柄は価格変動しない長期間の間に適正価格との乖離によるひずみを蓄積していく。
であれば、価格変動の少ない銘柄はいつかのタイミングで一気にひずみを解消する可能性が非常に高い。
だから、他より低価格で価格変動が少ない銘柄を持っておけば、いつか大きく価値を上げてくれる可能性が高い。
よって、価値の低い草コインは他の資産に移さず、キープしておくことが大事だと言える!
これが草コインはガチホすべき理由なのか・・・
適正価格への揺り戻しと言う考え方は色々なことを教えてくれる。
ただこの考えはまだ全然完璧ではない。
まだ不足している考え
今回取り扱ったのは価格の上昇と下落だ。
しかし、これでは価格変動について説明できない事・現象もある。
- 前と同じ価格に落ち着く、山を描くような上昇・下落
- 価格上昇のきっかけ
- XPコインのグラフに緑で書いたような、上昇中の短期的下落
- 理由なき長期的急騰、下落
- 他のコインとの相対的な価値関係
少なくともこれらのことについて考えなければ、価格変動の全体像を理解することはできなさそうだ。
さらに考えていきたい。
まとめ
価格の値動きは適正価格との乖離からの揺り戻しであり、適正価格へと移行するための過程でしかない。
したがって、価格変動が少ない銘柄の方が揺り戻しの力が多く蓄積されるため、後に大きく価格が上下しやすい。
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よろしくお願いします。
非常に参考した文献
歴史は「べき乗則」で動く
途中までしか読んでいないのですが、複雑系の考え方が具体例とともに数式なしにわかりやすく書かれています。
「臨界」、「揺り戻し」と言う考えは地震学の複雑系へのアプローチからもってきたものです。
本の後半には複雑系科学が導き出した「配当」や「ニュース」への投資家の反応という観点で株価変動の仕組みが書かれているようなので、そちらも読んで参考にしたいです。
面白いのでみなさんにも是非読んでいただきたいです!