仮想通貨けんきゅうしつ123

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NEW KIND OF NETWORK( $NKN )のオートマトンを利用したネットワーク構造を数学で見ていく。

 

 

New Kind of Network(NKN)というブロックチェーンがありまして、一体どこがNew Kindなのか気になったのでホワイトペーパーをあさって調べてみました。

 

 

工学部で習う内容に触れる記事となっていますので、ちょっと難しく感じられるかもしれません。

しかし、かなり面白いと思うので、もし興味がございましたら読んでみてください。

 

かくいう私も情報理工学専攻ではないため、間違いも多々あると思います。間違った点があれば心置き無く教えていただければ幸いです。

 

 

 

 NKNとセルオートマタネットワーク

 

 分散化されたネットワークを自然発生させる際、効率的なモデルを考える必要がある。それはセルオートマタネットワークで実現できる。(3次元のオートマタらしい)

 それについてじっくりと説明していく。

 

ネットワーク形状とその接続規則

 N個のノードから形成されるネットワークは、NxNの正方行列Aで表現できる。単位ステップあたりにネットワーク形状は変化する。その変化は、Aの形状変化がマルコフ連鎖*1である場合、ルールを

   A(t+1)=f[A(t)]   ・・・①

で表現できる。

 

このとき、それぞれのノードの形状変化は、隣り合うノードの状態によってのみ決まるようにしたい。なぜかというと、そうしないとネットワークがローカルでなくなるからである。

ところで、①の表し方だと、fがAと独立なので、Aの状態変化が内部状態によらずに形状のみで決まってしまう。

形状変化は、Aの形状(トポロジー)と内部情報の両方を加味して行いたい。だから、マルコフ連鎖のルールfは次のように書き換えるべきである。

   A(t+1)=f[A(t),S(t)]

   S(t+1)=g[A(t),S(t)]

ここで、S(t)は要素数Nからなるベクトルで、t秒におけるAのN個のノードの状態が格納されている。

fは形状(トポロジー)の変更ルールで、gは状態の変更ルールである。fとgどちらも、ノードの変更では隣接ノードの情報のみによって決まるようにして、ネットワークのローカル性を維持する。

つまりは各ノードiは自身の状態Siと近隣ノード({ j | Aij ≠ 0 }となるノードSj)の状態を知っていればいい。

 

ここで、ブロックチェーンにおける新規ブロックの認証プロセスを考えたい。ブロックを受け取ったノードは電子署名を用いて隣接ブロックにブロックを手渡すが、それには「競合するブロックがないか」「ブロックが承認されているか」などの基準が設けなけなければならない。

 

NKNのネットワーク成長過程を紹介する前に、一般的なネットワークオートマトンについて紹介する。

まず、初期状態(t=0)として、下記(FIG.6.)のように8つのノードが立方体の頂点に配置され、立方体の線分で結ばれている形状を考える。

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この状態にどんどんノードを追加していく。追加して行った時の形状は、下の写真のように変化のルールの内容によって大きく異なる(FIG.7.)。

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(a)はrule1655146で1573ステップ変化させた場合。(リング型トポロジー

(b)はrule1655185で1537ステップ変化させた場合。(擬似ランダムトポロジー

 

NKNのネットワーク構造の変化

 

ルールは以下の二つの情報に従って動くようにする。

・新規ノードから与えられた情報

・すでにあるノードが持つ情報

 

しかし、そのルールを作るのは非常に難しい。ちょっとルールを変えるだけで全く違う形状になってしまう。下の写真。少しルールを変えるだけで構造が随分と変わる。

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ブロックチェーンネットワークの現実的な運用のため、このネットワーク(CAoN)においては、各ノードが同期して状態を更新しない。つまり、各ノードは非同期に状態を更新する。

数学的な簡単さは損なわれるが、実際の利用に耐えうる。

 

ネットワークの自己組織化

 ネットワークを最も効率的にするにはどうすればよいだろうか。

ネットワークの形状は、その複雑さλによって4種類に大別できる。

 λ=0は複雑さ0の不動点で、λが増すごとに周期的、複雑、カオスというクラスに移行する。*2

 全く情報がない不動点と、完全にランダムでノイズしかないカオスの中間に、最も情報の多い状態を含んでいる部分があるはずである。それをカオスの縁と呼び、λ=λc(≒0.3)で表される。カオスの縁にある系の多くは、チューリング完全である。*3カオスの縁は、"複雑"の段階にある。

 下の写真(FIG.10)はそれぞれの状態における二次元オートマタの形状で、Class-4となっている部分がカオスの縁が含まれる、"複雑"の部分である。

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 効率的で長きに渡る運用が可能なネットワークを形成するには、ネットワークの状態がカオスの縁にある必要がある。

 ルールによって、ネットワークが永続的にカオスの縁にあるようにネットワークを自己組織化することができる。つまり、分散化システムのための理想的なネットワークをオートマトンにより形成できる。

 

CAoNによって複雑なまま成長するネットワーク(FIG.11)

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続きはまた今度書きます! 書いてと催促があればもっと頑張るかも、、。

 

参考文献:NKN_Whitepaper.pdf

 

*1:

マルコフ過程:状態変化が現在の状態のみに依存し、過去には依存しない過程のこと。

 

マルコフ連鎖マルコフ過程のうち、変化が離散的なもの。

*2:

不動点にはなんの情報も含まれていない。

 

周期的なものは、1周期分の情報と周期性があるという2種類の情報が含まれる。

 

複雑なものは、規則性のうちにランダムな状態を維持するので最大の情報量を含む。

 

カオスでは、完全にランダムなので、ノイズしか持たず、なんの情報も含まれていない。

*3:

チューリング完全とは:全ての計算処理が可能なこと。自分から自分を作ることができる。